活動報告

令和3年度第3回全学FD研修会「STEAM教育の意義や価値について考える」(文部科学省「知識集約型社会を支える人材育成事業」幹事校企画)を開催しました

 令和3年9月28日(火)13:30~15:30にて,令和3年度第3回全学FD研修会『STEAM教育の意義や価値について考える』をオンライン開催し,学内外の教職員・学生163名が参加しました。

 本学は,文部科学省「知識集約型社会を支える人材育成事業」に採択された「融合した専門知と鋭敏な飛躍知を持つ社会変革先導人材育成プログラム」の取組を通して,STEAM教育の全学展開を進めています。大学教育分野でのSTEAM教育実践は今まさに発展途上の段階であり,その意義や価値について,各種取組事例を学びながら,具体的な授業設計や学修成果に資する必要があります。本FD研修会は,文部科学省「知識集約型社会を支える人材育成事業」幹事校企画,FD委員会及び融合学域の共催にて開催されました。

 冒頭,青木 健一 理事(教育・高大接続担当)・副学長より開会挨拶・趣旨説明がありました。

 まず,本所 恵 人間社会研究域 学校教育系 准教授より「学校におけるSTEAM教育実践~国内外の取組事例に学ぶ~」と題して基調講演がありました。日本の学校教育における理数教育の現状や学習指導要領改訂に伴う探究学習の広がりを受けて,教科横断的な学びの必要性が求められ,産学官連携やSDGsをテーマにしながらSTEAM教育が広がりつつある現状を説明されました。さらに,スウェーデンにおけるSTEAM教育の事例として,課題探究学習やイノベーションコンテストなどが紹介され,同国ではSTEAMという言葉は使われず,アントレナーシップ教育として重視される傾向があるとのことでした。

 次に,有賀 三夏 東北芸術工科大学 基盤教育研究センター 専任講師より「STEAM教育における『A(Art)』の意義と価値~芸術思考の取組事例に学ぶ~」と題して基調講演がありました。STEAM教育における『A(Art)』の意義こそ大事であり,イノベーションを創出するために必要な要素であるとともに,他者や社会に貢献しようとする意志に基づくものであると解説されました。具体的には,芸術思考とは,ハワード・ガードナー博士の多重知能理論と創造性理論を基礎にして,人が芸術を作り出すときに創出・創発する思考プロセスからヒントを得たアプローチであり,国内外での多様な事例紹介を交えながら説明されました。

 後半の質疑応答・意見交換では,林 透 教学マネジメントセンター教授によるファシリテートのもと,2名の講師による基調講演に関する質疑応答のほか,参加者とともにSTEAMの意義や価値,今後の可能性について考えるミニワークショップを展開しました。参加者とのワークショップでは,オンライン投票システムを活用しながら,STEAM教育を通して,教え方や学び方の柔軟性・継続性を広げ,イノベーションや新しい価値が創造される未来社会を期待する声が寄せられ,大変有意義な機会となりました。

オンライン開催の様子(左より林教授、本所准教授、有賀専任講師)

本FD研修会のチラシはこちらをご覧ください。