活動報告

令和5年度第2回全学FD研修会 「分野を超えた専門知の組み合わせとは ~Society 5.0における人材育成の姿~」(「知識集約型社会を支える人材育成事業(DP)」幹事校企画)を開催しました

 令和5年8月8日(火)14:00~16:00にて,令和5年度第2回全学FD研修会「分野を超えた専門知の組み合わせとは ~Society 5.0における人材育成の姿~」をオンライン開催し,学内外の教職員・学生118名が参加しました。

 本研修会は,文部科学省「知識集約型社会を支える人材育成事業(DP)」幹事校企画の一環として開催するとともに,FD委員会,教務委員会及び公益社団法人・大学コンソーシアム石川の共催で実施されました。

 令和3年3月に公表された「第6期科学技術・イノベーション基本計画」において,イノベーションの定義を従来の自然科学から人文・社会科学を含めた範囲に広げ,人文・社会科学の厚みのある「知」の蓄積を図るとともに,⾃然科学の「知」との融合による,⼈間や社会の総合的理解と課題解決に資する「総合知」の創出・活⽤を重要視する方向性が示されました。学術研究や産業社会,さらには,人材育成において,分野を超えた専門知の組み合わせが必要とされる時代となっています。一方において,「分野を超えた専門知の組み合わせ」に関する教育実践の仕方や学修成果の把握について十分に理解されていない点があります。本研修会では,「分野を超えた専門知の組み合わせ」をテーマに,基調講演や事例紹介を通して参加者とともに考える機会となりました。

 冒頭,森本 章治理事(教育・高大院接続・大学院改革・情報担当)・副学長が開会挨拶を行いました。その後,九州大学未来人材育成機構の深堀 聰子教授が「分野を超えた専門知の組み合わせとは?」と題し,なぜ,今,「文理横断・文理融合教育」なのか,そして,学生に何を知り,理解し,行えるようになって欲しいか,という観点から基調講演を行いました。特に,分野固有の「世界の認識の仕方」と「世界への関与の仕方」とともに,「批判性」と「協働する知性」を身に付けることが大切であると力説されました。続けて,本学における具体的取組から,融合研究域融合科学系の中山 晶一朗教授より「融合学域における文理融合教育が目指すもの」,教学マネジメントセンターの山下 貴弘特任助教より「先導STEAM人材育成プログラム(KU-STEAM)を通した人材育成」と題した事例紹介があったほか,TSK株式会社の高木 亮太代表取締役社長が,実践インターンシップ受入れ等を通した大学生に期待したいスキルやマインド,文理融合教育への期待を述べました。

 後半の意見交換では,教学マネジメントセンター副センター長の林 透教授によるファシリテートのもと,参加者との質疑応答,深堀教授から本学の事例紹介に対するコメントや問いかけを通して,専門知を組み合わせた授業実践や学修目標設定,融合分野の可能性,企業が求めるスキルやマインドと大学教育を通した学修成果の結び付きなどが話題となりました。2時間という短い時間でしたが,コンパクトで中味の濃いFD研修会であったという声が寄せられ,大変有意義な機会となりました。

基調講演の様子
意見交換の様子