令和6年7月4日(木)14:00~16:00にて,令和6年度第2回全学FD研修会「文理融合・STEAM教育に関連した授業設計とは~教養教育,専門教育など多様な観点から考える~」をオンライン開催し,学内外の教職員・学生101名が参加しました。
本研修会は,文部科学省「知識集約型社会を支える人材育成事業(DP)」幹事校企画の一環として開催するとともに,FD委員会,教務委員会及び公益社団法人・大学コンソーシアム石川の共催で実施されました。
近年,学校教育だけでなく,大学教育において,文系・理系を越えた知識理解や姿勢・態度の修得の必要性から,文理融合・STEAM教育に関する話題が増えてきました。この動向は,「高等学校における教科横断型教育の動きが大学教育の変容を迫っている点」「イノベーションを創出できる『総合知』を備えた人材の育成を求めている点」の二つの教育政策に起因しています。このような教育政策を促進するため,文部科学省「知識集約型社会を支える人材育成事業(DP)」「地域活性化人材育成事業(SPARC)」のほか,私立大学等改革総合支援事業でも文理融合・STEAM教育に関する取組が指標化されています。一方,大学教育関係者の間では,文理融合・STEAM教育に関する具体的な授業設計において試行錯誤するケースが散見されます。本研修会では,文理融合・STEAM教育に関連した授業実践事例を紹介し,大学教育分野における文理融合・STEAM教育のあり方について,「文理融合・STEAM教育に関連した授業設計とは~教養教育,専門教育など多様な観点から考える~」をテーマに,基調講演や事例紹介を通して参加者とともに考える機会となりました。
冒頭,森本 章治 理事(総括・大学改革・教育・情報担当)/副学長より開会挨拶がありました。その後,永井 由佳里 北陸先端科学技術大学院大学 理事(研究振興,社会連携担当)・副学長より「大学教育分野における文理融合・STEAM教育の可能性~高次STEAMと新たな社会課題~」と題し,STEAM教育の背景や定義,社会や産業へどのようにつなげていくのか,という観点から基調講演がありました。特に,「人間性と野性」として,デザイン(探索的思考)が大切であると力説されました。
続いて,本学の文理融合・STEAM教育の話題提供として,南保 英孝 融合研究域 融合科学系 教授より「理数系分野における文理融合・STEAM教育の授業実践」,林 透 教学マネジメントセンター 副センター長・教授より「“泉鏡花×金沢アート”をコンセプトとしたSTEAM教育の授業実践」,山下 貴弘 教学マネジメントセンター 特任助教より「キャリアデザインを活かした文理融合・STEAM教育の授業実践」と題した事例紹介がありました。
後半の意見交換では,林 透 教学マネジメントセンター副センター長・教授によるファシリテートのもと,フロアとの質疑応答を通して,創造性に関する学生の質の変化,リフレクションの方法,学生の気づきを促す工夫や専門知や異分野を意識させる工夫,複数の分野の組み合わせ方など,多くの質問が寄せられました。
2時間という短い時間でしたが,本学をはじめとする大学関係者にとどまらず,企業等からの参加を含め,100名以上の参加申込みをいただき,大学における文理融合・STEAM教育の在り方への関心の高さを感じることができた,大変有意義な機会となりました。